天声人语（2007-05-28）游荡在车道与人行道间的自行车

初夏の風に吹かれて、週末の東京を自転車で走ってみた。街道で、規則通りに車道を走ると、背後からひっきりなしに車に抜かれる。はねられやしないかと、背筋のあたりが寒くなる。

冒着初夏的风，周末尝试着骑自行车环游东京。街道上，按照法规应在车道上行驶，可背后不断地有车子冒出来。是否会撞上吧，不由得不寒而栗。

　歩道へ上がれば、歩く人に気を使って速度が出せない。牧水の名歌を思い出した。〈白鳥（しらとり）は哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ〉。なぞらえるなら〈自転車は哀しからずや歩道にも車の道にも染まずさすらう〉。
若山牧水：＜白鳥の歌＞　孤独、自由、自己主張、孤高の意味　５，７，５，７、７　いわば：白鳥は悲しくないだろう　空の青　海の青　にも　染まらないで　揺れ動く。

要是骑在人行道上的话，要注意行人速度不可太快。于是想起了牧水的一首很有名的诗。“白鸟应该不会悲伤吧，天空的蔚蓝与大海的蓝色也不会影响到他悠闲的飞翔”自行车也可以这么比喻吧。“自行车应该不会悲伤吧，车道还是人行道都影响不到他悠闲的行驶着”。

　自転車は車道か、歩道か。古くて新しい問題をめぐって論議が起きている。道交法上は軽車両だから車道が原則だが、危険も多い。とはいえ歩道では人を脅かす。ぶつかる事故が１０年で５倍近く増えたというから深刻だ。

自行车是该走车道还是人行道呢。围绕这个既老也新的问题展开了议论。按照交通法规，自行车是轻型车量，所以原则上该走车道，但很危险的。虽然如此，要是走人行道的话会威胁到行人的。碰撞事故在10年内涨了近5倍。所以影响是很深刻的啊。

　歩道の通行規制を緩和する法改正案を国がまとめると、異論が出た。歩行者との事故がさらに増えかねないからだ。だが自転車で車にはねられて死傷する人も年に約１５万にのぼる。人の仲間か車の仲間か。白鳥（しらとり）ならぬコウモリの悩みのようだ。

国家在总结缓和人行道交通法则的修正案时，有人提出了异议。因为这样的话行人相关的事故会更加容易发生的缘故。但是，每年由自行车被车辆碰撞导致死伤的人数攀升到大约15万人。是人的朋友还是车的伙伴呢。如同变不成天鹅的蝙蝠般的烦恼啊。

　自転車のありようは時代を映してきた。昭和の初め、「二十四の瞳」の大石先生は、月賦で買った自転車で分教場へ通い、ハイカラと呼ばれた。戦争が終わると、「青い山脈」の若人が連ねる銀輪は自由な空気を運んできた。
「銀輪」というものは、実は、自転車だ。
「二十四の瞳」壺井栄つぼい・さかえ　１８９９－１９６７　香川県小豆島生れ。佐多稲子のすすめで執筆。「二十四の瞳」は昭和２７年に、芸術選奨文部大臣賞受賞。夫は詩人壷井繁治。
「青い山脈」は石坂洋次郎の同名小説を当時の日活青春映画 １９６３年 監督　西河克己
自行车的情况也反映了一个时代。昭和初年，《24目》里的大石老师分期付款买了辆自行车到分校区上班，被称为很时髦的。战争结束后，电影《蓝色三脉》里年轻人成排的自行车，带来了自由的氛围。

　骨太な運搬用が消えて、「チャリ」などと軽く呼ばれ出したのはいつからか。歩行者への凶器とも化しつつある様は、他者への優しさを欠く時代を映しているように見える。手軽で、安全で、何より自分のペースで乗れる。自転車の持つ魅力を、どうしたら取り戻せるだろう。
ちゃりん　～と音がする/叮当响

不知何时开始，庞大的用于搬运的自行车没有了，轻轻的响起了“叮当”之声。不断成为危害行人，也能看出这是个一个缺乏对他人的关心的时代。轻快地，安全地，最好以自己的速度骑车。拥有自行车的魅力，如何才能取回阿。