Monday, July 02, 2007

天声人语(2007-06-29)--木乃伊的灵魂

大正の流行作家、田村俊子の代表作に「木乃伊(みいら)の口紅」がある。一人の女性が夢で、唇に鮮やかな紅をさしたミイラを見る話だ。言われてみればミイラは、冷徹な「死」の中にも「生」を引きとめて離さない、不思議な表情を持っている。

大正时期的畅销作家田村俊子,有部代表作叫《木乃伊的口红》。讲的是一位女性在梦中见到一位嘴唇涂着鲜艳口红的木乃伊。如果要试着描述一下,在木乃伊冷彻的“死”中也有着无法剥离的“生”存在,其表情让人不可思议。

エジプトで確認されたハトシェプスト女王のそれも、幽明の境に漂うような、生の名残を宿している。紀元前15世紀に栄華を極めたという女帝である。「ツタンカーメン王以来の重要な発見」と考古学界は興奮気味らしい。

在埃及得到考证的哈特舍普苏特女王,其表情也如同漂浮在冥界与现世之间,宿泊在生的依恋之中。这是在公元前15世纪荣华至极的女皇帝。考古学界群情兴奋,认为“这是继图塔卡蒙国王以来的重大发现”。

ツタンカーメンの墓を1922年に発見した英国の考古学者カーターらが、それより前の03年に発見していた。だが誰だかわからず、1世紀余を身元不明で過ごしてきた。DNA鑑定の進歩によって素性が明らかになった。

于1922年发现了图塔卡蒙国王坟墓的英国考古学者卡塔等,在之前的03年就发现了(哈特舍普苏特女王)。然而这到底是谁却不得而知,就这样身份不明的度过了一个世纪。由于DNA鉴定技术的进步,她的身份才大白于世。

「この光景を前にしては、人間のはかない命を基準にした時間など展望を失ってしまう」。ツタンカーメンの棺を開けたカーターの回想である。古代エジプト人は霊魂の不滅を強く願った。その宿る所として、肉体にも永遠を与えようとした。

“如将这般景象置于当前,便失去了对以人类短暂的生命为基准的时间等的展望”,打开ツタンカーメン棺材的カーター如是回忆。古代埃及人深信灵魂不灭。作为灵魂寄居所的肉体,也欲让其长存于世。

カンヌ国際映画祭で受賞した河瀬直美監督の「殯(もがり)の森」を思い起こす。殯とは、死者の本葬前に霊の復活を願いつつ鎮める、古代日本の風習だった。河瀬さんは、殯という「死者と生者の間にある結び目のような時空」を、深い森に求めて、現代の物語を撮った。

不由想起在嘎纳国际电影节获奖、由河瀬直美导演的《殡之森》。所谓殡,是静静地祈祷死者在下葬前灵魂复活的日本古老风俗。河瀬先生将殡这样“仿佛死者与生者之间纽带的时空”诉诸于深幽的森林,拍摄出了现代故事。

女王は3500年のあいだ霊魂を待ち続け、死者として存在してきた。それ自体が「結び目」のようなものだろう。荘厳さの漂う面ざしには口紅よりも、王冠の方が似合うようである。

女王作为死者存在着,在3500年间一直等待着她的灵魂。其本身就是作为“纽带”一样的东西吧。相比抹在庄严面具上的口红,似乎王冠更适合这一切。